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  <title>waterlily</title>
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  <description>創作小説と、「オペラ座の怪人」二次創作小説を載せているブログです

※「Menu」または小説本編をご覧になるには、下へスクロール
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  <lastBuildDate>Mon, 23 May 2011 03:19:19 GMT</lastBuildDate>
  <language>ja</language>
  <copyright>© Ninja Tools Inc.</copyright>
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    <item>
    <title>Menu</title>
    <description>
    <![CDATA[<span style="background-color: #ffff99">About&nbsp;&nbsp; this&nbsp; site...</span><br />
主に創作小説と、「オペラ座の怪人」二次創作の小説を掲載しています<br />
更新は不定期ですので、<br />
期間があいたり、突然何個もアップしたり&hellip;謎です（え<br />
<br />
メッセージなどございましたら、各ページのコメント欄にどうぞ<br />
日記&rarr;<a href="http://technicolored.jugem.jp/">南極犬？</a><br />
<br />
<span style="background-color: #ffff99">About&nbsp; text...<br />
</span>基本的にこの<font color="#3366ff">Menu</font>から各ページに移動してください<br />
各ページで「目次へ」ボタンがない時は、ブラウザバック<br />
<br />
「Fa」のリンク不具合を修正いたしました（10/9/11）<br />
「学校の怪人」が閲覧可能になりました(11/02/04)<br />
<br />
<span style="background-color: #ffff99">Text...<br />
</span>・<a target="_self" href="http://laughinxlightnin.blog.shinobi.jp/Entry/3/"><font color="#ff3300">小品</font></a>&hellip;種類問わず短編が置いてあります<br />
last up 10/08/28<br />
<br />
・<a href="http://laughinxlightnin.blog.shinobi.jp/Entry/2/"><font color="#ff3300">Fa</font></a>　&hellip;長編です　（連載中）<br />
<span style="background-color: #ffffff">last up 11/03/09　3本更新<br />
</span><span style="background-color: #ccffcc"><br />
</span>・<a href="http://laughinxlightnin.blog.shinobi.jp/Entry/12/"><font color="#ff3300">学校の怪人</font></a>&hellip;「オペラ座の怪人」の学パロ　<br />
　　　　　&rarr;<a href="http://laughinxlightnin.blog.shinobi.jp/Entry/27/">オペラ座の怪人好きに５０の質問</a><br />
<span style="background-color: #ccffcc">last up 11/05/23　2件<br />
</span><span style="background-color: #ffffff"><br />
・<a target="_self" href="http://laughinxlightnin.blog.shinobi.jp/Entry/37/"><font color="#ff6600">独り遊びは止めてくれ</font></a>&hellip;「オペラ座の怪人」の二次創作<br />
　　　　　　　　　　　　　　　　短編シリーズ 残念ファントムをみんなで見守りましょう<br />
<span style="background-color: #ccffcc">last up 11/03/15<br />
</span><br />
</span><span style="background-color: #ccffff"><span style="background-color: #ffff99">About&nbsp; I...<br />
</span><span style="background-color: #ffffff">管理人：小夜<br />
職業：学生<br />
趣味：オペラ座の怪人、洋楽、東京事変、小説など...雑食<br />
リンク：<a target="_self" href="http://laughinxlightnin.blog.shinobi.jp/"><img border="0" alt="8144a38a.gif" align="left" src="//laughinxlightnin.blog.shinobi.jp/Img/1272195754/" /></a><br />
<br />
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＜お世話になっているサイトさん＞<br />
サーチ：<a href="http://ept.s17.xrea.com/WanNe/rank.cgi?mode=r_link&amp;id=9364">Wandering Network</a>　（長編小説検索エンジン）<br />
<br />
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp; <a onclick="imgwin('http://file.laughinxlightnin.blog.shinobi.jp/image07.gif',88,31)" href="http://www.newvel2.jp/"><img border="0" alt="" src="//laughinxlightnin.blog.shinobi.jp/Thumbnail/1272940949/" /></a>&nbsp; （二次創作小説検索エンジン）<br />
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素材：<a target="_blank" onclick="imgwin('http://file.laughinxlightnin.blog.shinobi.jp/br04.gif',80,15)" href="http://www.webcitron.com/"><img border="0" alt="" src="//laughinxlightnin.blog.shinobi.jp/Thumbnail/1272199379/" /></a>　　<a href="http://n-noire.com/index.html"><img border="0" alt="" src="//laughinxlightnin.blog.shinobi.jp/Img/1283437911/" /></a><br />
（当ブログで使用している画像の著作権はこれらサイトさんにあります）<br />
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※二次創作に関して<br />
　当ブログの運営は個人的なものであり、<br />
　作品全ては原作者および団体、企業とは一切関係はありません<br />
<br />
※当ブログに掲載されている作品の著作権は管理人にあります<br />
</span><br />
</span>]]>
    </description>
    <category>未選択</category>
    <link>http://laughinxlightnin.blog.shinobi.jp/%E6%9C%AA%E9%81%B8%E6%8A%9E/menu</link>
    <pubDate>Tue, 27 Jan 2015 15:18:37 GMT</pubDate>
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  </item>
    <item>
    <title>9、決着をつけよう</title>
    <description>
    <![CDATA[　「っあー、それにしても、どうすんの、陸さん？」<br />
<br />
ダロガが、ソファにふんぞり返りるように座る陸に尋ねた。<br />
陸の隣には、ダロガのルームメイトで高校一年生の榊・ラウル・広一がお菓子を片手に座っている。<br />
口をもぐもぐ動かしながら喋っている。<br />
<br />
「主役いないんじゃ成り立ちませんしねー。」<br />
<br />
「誰かさんがあんなことを言うからだろ。」<br />
ダロガが遠い目で天井を見上げた。<br />
<br />
・・・・・・・・・・・・・・・・<br />
<br />
千歳が運ばれた後、ダロガたちは加代子に向き直った。仕切りなおしだ。<br />
<br />
「なんか、余計ややこしいことになっちゃって&hellip;うん、練習中にごめん。」<br />
<br />
ダロガは誤魔化しながらなんとか加代子に謝って、陸の方にも促したが、断固拒否だった。<br />
一方の加代子は冷たい視線をダロガに向ける。<br />
<br />
「は？あんた、今日のこと謝りに来たんじゃないの？その謝罪が足りないんですけど。」<br />
<br />
ダロガは殴りかかりたい衝動をぐっとこらえて、<br />
<br />
「&hellip;ご、め&hellip;んなさ、い。」<br />
<br />
と世にも恐ろしい顔で呟いた後、小さく舌打ちした。<br />
すかさず陸がダロガの足を踏んできたが、ダロガは知らぬふりをした。<br />
<br />
「なにその、形だけって感じの謝り方。超むかつくんだけど。<br />
　でももういい&hellip;時間も無駄だしー。とりあえず学園祭まで一緒に頑張ろーってことで、」<br />
<br />
「ちょっと待ちたまえ。」<br />
<br />
ここで初めて陸が加代子に向けて言葉を発した。<br />
なぜか陸が発言するとその場がしんと静まり返り、全員が陸を見る。<br />
<br />
「&hellip;なによ。」<br />
<br />
「『一緒に』とは&hellip;どういうことだね。」<br />
<br />
加代子は気味悪そうに陸を見て、<br />
「そのまんまの意味なんだけど。<br />
　<strong>私は主役</strong>で、あんたたちが舞台をつくって、<font size="3">「そこなんだがね、」<br />
</font><br />
突然陸が加代子の言葉をさえぎった。<br />
「なにか、勘違いをしているようだ、マドモアゼル？」<br />
<br />
「な、なにが&hellip;？」<br />
<br />
困惑した顔の加代子を陸はまっすぐ見据えて、<br />
<br />
<font size="4">「君に主役はさせない、以上だっ！」<br />
</font><br />
と叫んだ。<br />
<br />
一瞬の間の後、加代子はヒステリックに<br />
「もう一回行ってみなさいよ、この仮面やろーっ」<br />
と叫びながら暴れだしたので、部員たちに取り押さえられた。<br />
<br />
そしてダロガ、陸の2人はそそくさとその場から逃げ去り、その姿をマダム井田はため息をつきながら見つめていた。<br />
<br />
<br />
・・・・・・・・・・・・・・・・<br />
<br />
場面はダロガの部屋に戻る。<br />
<br />
「なあ、陸、主役どうすんだよ？何か考えがあっての行動だろうな？」<br />
ダロガは少々イライラしながら、何もしゃべらない陸に尋ねた。<br />
<br />
「&hellip;。」<br />
<br />
しかし、陸からの返答はなくダロガはそろそろ我慢できなくなった。<br />
<br />
「おい！聞いてんのか！」<br />
<br />
「少し静かにしたまえ。」<br />
<br />
「ああ！？」<br />
<br />
陸は冷ややかな目でダロガを見て、静かに立ち上がった。<br />
<br />
ダロガとラウルは予想できない陸の動きに少し身構えたが、<br />
陸はとくに何をするわけでもなく静かに歩き始めて、<br />
ダロガの横を通り過ぎて部屋の壁の前で立ち止まった。<br />
<br />
そして壁を３回ノックすると、かちっと音がして壁の一部が回転し始めた。<br />
<br />
「な、なんだよ、これっ」<br />
<br />
ちょうど人一人が通れるほどの穴がぽっかりと開くと、動きは止まった。<br />
陸はニヤリと笑って、情けないほどに口をポカンと開けた２人の方を振り返り、<br />
<br />
「主役を捕まえてきてあげよう。」<br />
<br />
と言って穴の中に入ろうとして、思い出したかのようにもう一度振り返って<br />
「すまないね、ダロガさん。<br />
しかし君のプライバシーは一部のマニアに高く売れるのだよ。」<br />
と笑い、ブレザーの内ポケットからすばやくデジカメを取り出し、相変わらずぽかんとしているダロガを撮って穴の中へと消えた。<br />
<br />
<br />
３秒後、我に返ったダロガの、<br />
「ゴルァアアアア　仮面ヤローっ、どこ行きやがったぁぁあ！！」<br />
という叫び声が寮内に響き渡り、<br />
血眼になって陸を探すダロガの姿を見た者はみんな口をそろえて<br />
<br />
「ナマハゲを見た。」<br />
<br />
と、寮監督に報告したという。<br />
<br />
<br />
<a href="http://laughinxlightnin.blog.shinobi.jp/Entry/12/">目次</a><br />]]>
    </description>
    <category>学校の怪人</category>
    <link>http://laughinxlightnin.blog.shinobi.jp/%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E3%81%AE%E6%80%AA%E4%BA%BA/9%E3%80%81%E6%B1%BA%E7%9D%80%E3%82%92%E3%81%A4%E3%81%91%E3%82%88%E3%81%86</link>
    <pubDate>Mon, 23 May 2011 03:19:41 GMT</pubDate>
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  </item>
    <item>
    <title>8、女王の意地</title>
    <description>
    <![CDATA[<p><br />
　神田千歳（かんだ ちとせ）が目を覚ますと、そこは寮の自分の部屋だった。</p>
<p>「あ、おはよう、千歳。」</p>
<p>ベットのわきには千歳の同級生で親友の、井田恵（いだ めぐみ）が座っていた。<br />
かのマダム井田の妹である。</p>
<p>「恵&hellip;今、何時？」</p>
<p>「7時。あれから2時間、ぐっすりだったわね。」</p>
<p>窓の外はすっかり暗くなっていた。<br />
千歳は寝起きの朦朧とした意識の中で2時間前を思い出そうとした。</p>
<p>―学校が終わって、部活に行って、稽古があって、加代子先輩が泣いて&hellip;</p>
<p><font size="4">「ああああああっ！！！」</font></p>
<p>「どうしたの、千歳！？」</p>
<p>千歳は突然大声で叫びながら、がばっと上半身を起こした。<br />
恵が驚いて千歳の顔を覗く。</p>
<p>「だ、大丈夫？」</p>
<p>千歳はため息をついて、頭を抱えた。</p>
<p>「恵、私、バカなことしたかも&hellip;。」</p>
<p>「まあ、突然鼻血出して倒れたことはびっくりしたけど、別にバカなこととは言えないわよ。」</p>
<p>「そうじゃなくって、」</p>
<p>そして、千歳は恵の方に向き直った。</p>
<p>「恵、あの後どうなったの&hellip;？」</p>
<p>「な、何が？」</p>
<p>恵は怪訝そうな顔で千歳に尋ね返した。<br />
すると、千歳は急に涙目になって恵の肩をつかみ、ぐらぐらと揺らし始め、</p>
<p>「知ってるくせにっ！私がなんで倒れたのか知ってるくせにっ！！<br />
　あーーーーっっ私のバカっ！」</p>
<p>と、わめいた。恵は首をがくんがくんと揺らされながら、</p>
<p>「ちょ、落ち着い&hellip;て、千歳っ&hellip;てば！」</p>
<p>と必死に止めるものの、千歳にはまったく届いていない。<br />
千歳は早口で喋り続ける。<br />
<br />
「あんなに間近であの二人のやりとり見たのはじめてだったのに。<br />
　あんなせっかくのチャンスを自分から逃すなんてやっぱり私バカだわ&hellip;。」<br />
<br />
そんな千歳をひいた目で見つめる恵はため息をついて、<br />
「心配したことを後悔させないでよ&hellip;。」<br />
と呟いた。千歳が勢いよく振り向く。<br />
<br />
「ちょっと&hellip;恵にはどうしてこの感動がわかんないの！？」<br />
<br />
「分かるわけないでしょ！私は腐女子じゃないしっ」<br />
<br />
「この学校の腐女子のトップ、人呼んで『<strong>腐女王</strong>』の私と親友のくせに！」<br />
<br />
「普通レベルも分かんないのに女王レベルに共感できるわけないでしょ！」<br />
<br />
「&hellip;え、今、私ほめられてる？」<br />
<br />
「ほめてないからーっ」<br />
<br />
恵が投げたクッションは見事に千歳の顔面ド真ん中に命中した。<br />
鼻をさすりながら千歳が呟く。<br />
<br />
「ああ&hellip;ペルシアの君と仮面伯爵の愛のロマンスが<strong>電柱の陰からではなく</strong>、あんなにも堂々と見れたのに&hellip;。」<br />
<br />
「ツッコミどころが多すぎるんですが&hellip;。」<br />
<br />
「彼らを追って早五年&hellip;誰よりも彼らの愛を知っているはずなのに！！」<br />
<br />
「愛じゃないでしょ。」<br />
<br />
「分かってないわね、愛以外の何物でもないわよ。」<br />
<br />
その時、部屋をノックする音とともにマダム井田こと井田真理が入ってきた。<br />
千歳に体調を尋ねると、恵の隣に腰掛けて優しい笑顔で話し始めた。<br />
<br />
「それにしても&hellip;あなた&hellip;なんてバカなのかしら。」<br />
<br />
千歳は顔をひきつらせて固まった。<br />
真理は相変わらず笑顔で続ける<br />
<br />
「突然鼻血を出したかと思えばこの忙しい時期に部活2時間の練習を無駄にするですって？本当になんてバカなのかしらね。あら、どうしたの？<strong>別に怒ってないわよ？</strong>それに、あなたそれでも女王なの？あんな言い合い、<strong>私が昇降口から講堂まで連れてくるまでずっとしてたわよ</strong>。最初から聞いてもないのにどうして、」<br />
<br />
「ちょ、ちょっとお姉ちゃんっストップ！千歳が危ないからっ」<br />
<br />
恵が冷や汗をかきながら真理を止めた。<br />
千歳が青い顔でがくがくと震えている。<br />
<br />
「あら、どうしたの、千歳？」</p>
<p>千歳はひきつった顔で真理に向き合う。<br />
<br />
「ま、真理先輩、私だって伊達に女王と呼ばれてるわけではないんです！<br />
&hellip;毎朝2人の登校を電柱の陰から追跡しては観察し、女子棟と男子棟の間の壁によじ登っては休み時間を観察し、最終的にはペルシアの君と同室のラウルの制服にボイスレコーダーを&hellip;<br />
というように、私だって頑張ってるんです！！<br />
え、いえ、ストーカーじゃないです&hellip;私は私なりに頑張ってるんです！！」<br />
<br />
最後にさわやかな顔でガッツポーズを決めた千歳に井田姉妹はドン引いていた。<br />
<br />
そして、千歳は息切れしながら輝く笑顔で、<br />
「というわけで先輩、くわしく話を聞かせてください！」<br />
と鼻血を流しながら叫んだ。<br />
<br />
<br />
<a href="http://laughinxlightnin.blog.shinobi.jp/Entry/12/">目次へ</a></p>]]>
    </description>
    <category>学校の怪人</category>
    <link>http://laughinxlightnin.blog.shinobi.jp/%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E3%81%AE%E6%80%AA%E4%BA%BA/8%E3%80%81%E5%A5%B3%E7%8E%8B%E3%81%AE%E6%84%8F%E5%9C%B0</link>
    <pubDate>Mon, 23 May 2011 02:17:53 GMT</pubDate>
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  </item>
    <item>
    <title>夏に独り遊びは止めてくれ・２</title>
    <description>
    <![CDATA[<p><br />
　私は懲りずにエリックの湖へと通い続けていた。<br />
あの衝撃的な夏の日から1週間が過ぎた。<br />
彼はついにクリスティーヌへの一歩を踏み出そうとしているかもしれない。<br />
それを止められるのは、きっと私だけなのだ。</p>
<p>私は湖の近くまで来て足を止め、耳をすませた。<br />
またエリックが泳いでいるかもしれない。<br />
そしてまた見つかってしまえば、今度こそ私はどうなるのかわからない。</p>
<p>しかし、前回の様な水の音は聞こえない。私は安心して先へ、エリックの家の方へ進もうとした。<br />
その時、</p>
<p>カチャ&hellip;</p>
<p>エリックの家の扉が開く音がした。私は大いに焦った。<br />
エリックが外出する！ここにいればどうしても見つかってしまう。どうすべきか&hellip;！<br />
しかたなく、私は足早にもと来た道を引き返すことにした。<br />
　<br />
　一時しても、エリックが外へと出ていく気配はなかった。<br />
道の陰に伏せて隠れていた私は不審に思い、身を起こした。<br />
先ほどまでいた湖の方向に目を凝らした。<br />
やはり、エリックが向かってくるどころか何かが動く気配すらない。<br />
私はカンテラの明かりは消したままでもう一度湖へと向かった。</p>
<p>　私は前回そうしたように湖のほとりの陰へと身を隠した。<br />
相変わらず水の音は聞こえない。私はゆっくりと湖の方を覗いた。</p>
<p>「&hellip;っ！？」</p>
<p>私がいるのとは反対の岸にエリックがいた。<br />
そしてエリックは前回着ていたのと同じ、無駄に胸元のあいたふりふりの水着を着ている。<br />
しかし、たいそう奇妙だった。<br />
目には白い布で目隠しをし、めんぼうのような木の棒を両手でしっかりと持ち、その場をうろうろしているのだ！</p>
<p>私は見てはいけない何かを見てしまった気がして、エリックから目をそらした。</p>
<p>しかし、そむけた視線の先にあるものに私は再び目をみはった。<br />
エリックから数歩先の床には大きな、丸い何かが&hellip;そう、すいかが置いてあったのだ！</p>
<p>一体何の儀式なのか私にはさっぱり分からなかった。</p>
<p>そしてエリックは例によって、隣に置いているイスの上にあの時と同じクリスティーヌ人形を座らせていた。<br />
「クリスティーヌ、さあ、クリスティーヌ&hellip;指示を出しておくれ。右かね。左かね。」</p>
<p>もちろんクリスティーヌは応えない。しかしエリックはしきりにクリスティーヌに話しかける。</p>
<p>「クリスティーヌ？そうか、左かね。わかった、&hellip;&hellip;ここかな？」<br />
そう言って、エリックは突然棒を大きく振りかぶって床に叩きつけた。</p>
<p>ガンッ</p>
<p>石造りの床がむなしく音を響かせた。</p>
<p>陸は残念そうに口をとがらせて、またもやうろうろし始め、<br />
「なんだ、クリスティーヌ&hellip;ちがうじゃないか。え？もっと前？わかった&hellip;ここかな&hellip;うわおぅっ！！」<br />
そのまま湖へと落下した。</p>
<p>私は恐ろしくなり、エリックがもがく音を聞きながら静かにその場を去った。<br />
<br />
　夏に一人遊びは止めてくれ。<br />
日本の「スイカ割り」というそうだ。ジャポニズムの先取りも大概にしてくれ。<br />
<br />
<br />
<a target="_self" href="http://laughinxlightnin.blog.shinobi.jp/Entry/37/">目次</a></p>]]>
    </description>
    <category>独り遊びは止めてくれ</category>
    <link>http://laughinxlightnin.blog.shinobi.jp/%E7%8B%AC%E3%82%8A%E9%81%8A%E3%81%B3%E3%81%AF%E6%AD%A2%E3%82%81%E3%81%A6%E3%81%8F%E3%82%8C/%E5%A4%8F%E3%81%AB%E7%8B%AC%E3%82%8A%E9%81%8A%E3%81%B3%E3%81%AF%E6%AD%A2%E3%82%81%E3%81%A6%E3%81%8F%E3%82%8C%E3%83%BB%EF%BC%92</link>
    <pubDate>Tue, 15 Mar 2011 01:50:30 GMT</pubDate>
    <guid isPermaLink="false">laughinxlightnin.blog.shinobi.jp://entry/38</guid>
  </item>
    <item>
    <title>独り遊びは止めてくれ</title>
    <description>
    <![CDATA[<br />
短編「独り遊びは止めてくれ」シリーズでは、<br />
地下で独り暮らしを満喫している残念なエリックを<br />
それを陰から見守る人々の視点で暴いて（？）いきます。<br />
<br />
とにもかくにも残念すぎる痛々しいファントム・エリックですので&hellip;<br />
完全ギャグです。笑ってあげないと、エリックが報われません<br />
<br />
・<a target="_self" href="http://laughinxlightnin.blog.shinobi.jp/Entry/36/">夏に独り遊びは止めてくれ　（ダロガ視点）<br />
</a><br />
・<a target="_self" href="http://laughinxlightnin.blog.shinobi.jp/Entry/38/">夏に独り遊びは止めてくれ・２</a>　（ダロガ視点）<br />
<br />
<br />
<a href="http://laughinxlightnin.blog.shinobi.jp/"><span style="background-color: #ccffff">Menuへ</span></a>]]>
    </description>
    <category>独り遊びは止めてくれ</category>
    <link>http://laughinxlightnin.blog.shinobi.jp/%E7%8B%AC%E3%82%8A%E9%81%8A%E3%81%B3%E3%81%AF%E6%AD%A2%E3%82%81%E3%81%A6%E3%81%8F%E3%82%8C/%E7%8B%AC%E3%82%8A%E9%81%8A%E3%81%B3%E3%81%AF%E6%AD%A2%E3%82%81%E3%81%A6%E3%81%8F%E3%82%8C</link>
    <pubDate>Tue, 15 Mar 2011 01:42:05 GMT</pubDate>
    <guid isPermaLink="false">laughinxlightnin.blog.shinobi.jp://entry/37</guid>
  </item>
    <item>
    <title>夏に独り遊びは止めてくれ</title>
    <description>
    <![CDATA[<p><br />
　エリックを見張るようになってどのくらいが経つだろうか。私はここオペラ座で何度目かの夏を迎えた。<br />
私やエリックが以前過ごしたペルシアとは違い、パリの夏は厳しく暑いわけではなかった。<br />
特にオペラ座の地下ではいつでも冷気が漂い、涼しいというよりも体の下からすうと冷えてくる薄気味悪い感覚があった。</p>
<p>その日、私はやはりエリックの湖の家へと向かっていた。<br />
どこから吹いてくるのか分からない冷たい風を肌に感じながら、慎重に下へと降りていく。<br />
いつエリックが来るか分からない。私は警戒しながら歩いていた。</p>
<p>ちゃぷん&hellip;</p>
<p>湖が目前にせまった時、小さく水の跳ねる音がした。私は反射的に足をとめた。<br />
誰かが湖にいるのだろうか。だとしたら、家の主人か。<br />
私は音をたてぬように慎重に身をかがめた。</p>
<p>ざばん&hellip;</p>
<p>陰から湖を覗こうとしたその時、何かが湖に落ちる音がした。<br />
私は体が恐怖で硬直するのが分かった。<br />
誰かが湖に落ちた！セイレイの餌食になってしまう！！<br />
とっさに湖の方へ助けに向かおうとした時、冷静な考えが頭をよぎった。</p>
<p>しかし、セイレイの歌声は聞こえなかった。</p>
<p>もしも湖に誰かが侵入したことを家の主人であるエリックが知ったら、<br />
まずは世にも美しく恐ろしいセイレイの歌が聞こえてくるはずだ。<br />
そしてその歌に聴き入った者が湖の中へ引きずり込まれてしまう&hellip;。<br />
私は思わず過去の体験を思い出し、身震いした。</p>
<p>ざばん、ざばん&hellip;</p>
<p>するとまた水の音がした。そして今度は、</p>
<p>セイレイの歌だ！！</p>
<p>美しい澄んだ歌声が聞こえてきたのだ。しかも、やけによく聞こえる。<br />
私は今度こそ陰から飛び出して、湖と対峙した。</p>
<p>「&hellip;っ！？」</p>
<p>しかし、私は目の前の光景に息をのんで立ちつくした。</p>
<p>「なぜ&hellip;なぜ、君がここにいるのだ！！！」</p>
<p>そこには、うきわに乗り、水泳帽をかぶってシュノーケルとゴーグルをつけたエリックが浮かんでいた。<br />
私はみるみるうちに赤面するエリックを呆然と見ていた。</p>
<p>「&hellip;君は&hellip;何をしているんだ？」</p>
<p>「っ&hellip;君には関係のないことだ。それより、二度とここには近づくなと言わなかったかね。」</p>
<p>エリックは口調こそいつも通りだったが、<br />
ふりふりのレースの付いた水着を着てぷかぷか浮いている姿はあまりにも滑稽であった。</p>
<p>「え？ああ&hellip;うん、言われたが&hellip;君は、あの、」</p>
<p>「いいから出ていけ！」</p>
<p>「いや、君、その水泳帽は、」</p>
<p>「出ていけというのが聞こえないのかっ！」</p>
<p>「&hellip;&hellip;あ、はい。すいませんでした。」</p>
<p>立ち去りながら、私は自分でも顔がひきつるのがわかった。<br />
夏のある日、エリックは一人で水遊びをしていた！！<br />
しかも、黄色い水泳帽まで&hellip;小学生でもあるまいし。</p>
<p>しかし&hellip;</p>
<p>私の足は自然と止まった。<br />
ダロガと書いて好奇心と読むほど、私はエリックに対する興味関心が強い。<br />
前々から、<br />
ウザいウザい。超ウザい。こっち来んな、警察呼ぶぞ。<br />
とでも言うようなエリックの視線を浴びながらもその謎を追ってきた。<br />
こんなところで立ち去るわけにはいかない。</p>
<p>その上、あんな光景を見てしまったからには&hellip;！！</p>
<p>私は足早に来た道を引き返し、再び湖へと向かった。</p>
<p>一度気づかれているからには、先ほどよりもずっと警戒する必要があった。<br />
私は音一つ経てぬよう細心の注意を払って先ほどいた物陰に身を潜めた。<br />
すると、また歌が聞こえてきた。</p>
<p>エリックだ！エリックはまだ泳いでいる。</p>
<p>歌は誰かに語りかけるように響いた。そして、同時にちゃぷちゃぷと水を蹴る音も聞こえていた。</p>
<p>ずいぶんと楽しそうだな&hellip;</p>
<p>私は意を決して物陰から顔を少し出して、エリックを見ようと努めた。</p>
<p>「&hellip;なんだ、？」</p>
<p>すると、エリックは先ほどと同じように浮わをつけて浮かんでいたが、手に何かを持っていた。<br />
それはとても小さく、私がいる場所からはそれが何かを特定することは極めて難しかった。<br />
それでも必死に目を凝らして見ていると、エリックが笑顔でそれに向かって話しかけ始めたのだ。</p>
<p>「ほおら、クリスティーヌ、泳ぐのは気持ち良いものだろう。楽しいかね？<br />
　&hellip;そうか、でも君は初め嫌がっていたじゃないか。ふふふ、それが今ではほら、こんなに楽しんでいるね。」</p>
<p>クリスティーヌに似せて作った小さな人形を大事そうに持って湖の中を泳ぎまわっているエリックに、私は何とも切ない思いでいっぱいであった。</p>
<p>この天才は&hellip;。</p>
<p>私は涙をぬぐいながらその場を後にした。<br />
後ろの方から、楽しそうに人形と戯れるエリックの声が聞こえた。</p>
<p>「まったく、おいやめろ、クリスティーヌっ。冷たいじゃないかー。そうれ、お返しだっ。」</p>
<p>夏に一人で人形と泳ぐのは止めてくれ。<br />
&nbsp;</p>
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    </description>
    <category>独り遊びは止めてくれ</category>
    <link>http://laughinxlightnin.blog.shinobi.jp/%E7%8B%AC%E3%82%8A%E9%81%8A%E3%81%B3%E3%81%AF%E6%AD%A2%E3%82%81%E3%81%A6%E3%81%8F%E3%82%8C/%E5%A4%8F%E3%81%AB%E7%8B%AC%E3%82%8A%E9%81%8A%E3%81%B3%E3%81%AF%E6%AD%A2%E3%82%81%E3%81%A6%E3%81%8F%E3%82%8C</link>
    <pubDate>Tue, 15 Mar 2011 01:33:42 GMT</pubDate>
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  </item>
    <item>
    <title>7,謝罪と鼻血</title>
    <description>
    <![CDATA[<br />
　各文化部の活動は主に部活棟で行われている。<br />
その中でも最大勢力を誇る歌劇部はガルニエ学園の講堂棟全フロアを占領しており、1階から舞台のある4階までを好きに使っている。歌劇部に逆らえる部活はなく、過去に歌劇部に食って掛かった映画研究部は、講堂棟からはるか離れた場所にある小屋に部室の移動を余儀なくされた。という噂もある。<br />
<br />
そして、加代子はその歌劇部のプリマドンナである。<br />
<br />
　講堂棟に入ると、そこではみんなが忙しく働いていた。<br />
<br />
1階では背景の作成や、その他大道具や小道具の準備がされていた。<br />
ダロガは3回、陸は2回ベニヤ板で頭をぶたれた。<br />
<br />
2階では衣装作りが行われていた。<br />
メジャーや針、裁ちばさみを持って走り回る女子を見て、陸とダロガは呆気にとられた。<br />
井田は颯爽とその隣を進んで階段を上っていく。<br />
普段は演技やバレエ、コーラスの稽古が行われている３階を通り過ぎ、そして合同稽古が行われている４階の舞台に着いた。暗い舞台のそでを通って、加代子たちがいる舞台へと向かう。<br />
<br />
ダロガが井田に尋ねる。<br />
「まだ夏なのに、もう通し練習でもするんですか？」<br />
ダロガは自然と井田に対して敬語を使うようになっていた。<br />
<br />
井田は相変わらず凛とした表情で、<br />
「まさか&hellip;。今日はいわゆるミーティングよ。」<br />
<br />
陸が横目で井田を見る。<br />
「君はいなくていいのかね。君&hellip;バレエのリーダーだろう。」<br />
ダロガは「え。」と漏らした。井田は片方の眉をピクリと動かし、<br />
「なんであなたが知ってるのよ。」<br />
<br />
陸は「有名だろう。」とか何とか言って誤魔化していた。<br />
ダロガが不思議そうに陸を見ていた時、金切り声がその場に響き渡った。<br />
<br />
「もう！信じらんない、マジで！！やってらんないっ！帰る！！」<br />
<br />
金属音のように頭にキーンと響くような声で泣きわめきながら、加代子が３人の前に飛び出してきた。３人はぽかんと口を開けたままその場に固まってしまった。<br />
<br />
おいおい泣いている加代子の後ろから、ハンプティダンプティのような体型の男が追いかけてきた。<br />
「加代子！お願いだから戻ってくれ！」<br />
<br />
「嫌だ！もう２度と戻んない！」<br />
加代子は舞台のそでに下がっている分厚い幕に泣きついている。<br />
ハンプティダンプティの後ろでは、舞台から数十人もの歌劇部員がこちらの様子をうかがっていた。<br />
<br />
「おい、加代子&hellip;お前が歌わないと誰が歌うんだ？代わりなんていないじゃないか。」<br />
<br />
加代子は幕から顔をあげてハンプティダンプティのほうを振りかえり、<br />
「安蔵はいつもそればっかり！もっと気のきいたこと言えないわけぇ！？」<br />
とヒステリックに叫んだ。<br />
<br />
「あいつ、『寺田安蔵』というのか。奇妙な名前だな。」<br />
<br />
その言葉はやけに響いてしまった。<br />
その場にいた全員が発言者・陸を見た。<br />
ダロガは見たついでに陸の足を思いっきり踏んでやった。<br />
<br />
「痛っ<font size="4">「ああ！あんたたち！！」<br />
</font><br />
陸が顔をゆがめたのと同時に、加代子がやっと３人に気づいた。<br />
加代子は先頭の井田を通り越して２人を睨んでいる。<br />
「何&hellip;どうしてここに来たわけっ？」<br />
<br />
陸とダロガは、えっと、いや、とか言いながら互いをひじでつつき合っていた。<br />
見かねた井田がきっぱりと、<br />
「お話があるそうよ。」<br />
と言ってしまったので、２人は後に引き下がれなくなった。<br />
<br />
一方の加代子は眉をひそめて、<br />
「はあ？何よ、今更。何を話すって言うのよっ！？」<br />
とキーキー叫んだ。<br />
<br />
しかし、それも聞かずに２人は小さな声で争いだした。<br />
「お前が謝れ。」<br />
<br />
「断る。私は断固として頭は下げんぞ。」<br />
<br />
「じゃあ、頭あげたままでもいいから、一言言ってこい。」<br />
<br />
「そういう問題ではなかろう。私は謝らない。君が行け。」<br />
<br />
「何でだよ。じゃあ、オレが『ごめん』っていうから、お前『なさい。』って言えよ。」<br />
<br />
「どういうことだね。間接的に謝れというのか。」<br />
<br />
「&hellip;謝りたくないって言うから。」<br />
<br />
そして、２人の声はだんだんと大きくなって、<br />
「何があっても！私は何も言いたくないのだっ！私には守るべきメンツというものがある！！」<br />
<br />
「はあ！？メンツってお前、半分顔隠してる奴が何言ってんだよ！」<br />
<br />
「ここでそれは関係なかろう！ごたごた言わずに君が早く行って謝れ！」<br />
<br />
「じゃあ俺だってメンツがつぶれんの嫌だよ！」<br />
<br />
「君は顔面が怖すぎるんだから一回つぶれたほうが君のためだっ」<br />
<br />
「何で物理的になんだよ、変態仮面このやろ」<br />
<br />
ギャーギャー喚く２人に対して、井田の堪忍袋の緒が切れかかったその時、<br />
<br />
<font size="5">バターーーーーーーーーーーンッ<br />
</font><br />
「「え？」」<br />
<br />
大きな音がして、その場が静まり返った。<br />
そして、１人の女子生徒の声が響いた。<br />
<br />
<font size="4">「先生ーっ、神田さんが鼻血出して倒れましたーー！」<br />
<font size="2"><br />
<br />
<br />
<a target="_self" href="http://laughinxlightnin.blog.shinobi.jp/Entry/12/">目次へ</a></font></font>]]>
    </description>
    <category>学校の怪人</category>
    <link>http://laughinxlightnin.blog.shinobi.jp/%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E3%81%AE%E6%80%AA%E4%BA%BA/7-%E8%AC%9D%E7%BD%AA%E3%81%A8%E9%BC%BB%E8%A1%80</link>
    <pubDate>Mon, 14 Mar 2011 13:57:47 GMT</pubDate>
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  </item>
    <item>
    <title>15年前・3</title>
    <description>
    <![CDATA[<p><br />
　上田は諦めた顔で、ぼそぼそと話し始めた。<br />
「&hellip;彼女は僕とが2回目の結婚だったんですが、」<br />
私は頷く。</p>
<p>「実は昨年&hellip;突然、子供がいる、と言い出したんです。」<br />
私はよく理解できず、ぽかんと口を開けた。<br />
「&hellip;妊娠した、ということですか？」</p>
<p>上田は首を横に振る。<br />
「いえ、つまり、前の旦那との間に子供がいた、というんです。もう20代後半くらいの。」<br />
私は予想外の展開に顔をひきつらせた。<br />
上田は続ける。<br />
「そんな話&hellip;私は聞いたこともありませんでした。むしろ、子供はいないと嘘を聞かされていたんです。<br />
それだけでも私は十分動揺しましたし、なぜ黙っていたのか問いただしたくもなりました。」</p>
<p>『問いただしたくもなりました』？どうにもこの人は歯切れが悪い。</p>
<p>「そして&hellip;何を思ったのか、その子を探し出すことにした、と。」<br />
陰鬱な空気を放ちながらしゃべる上田を私は瞬時に止めた。<br />
「ちょっと待ってください。探すってどういうことですか。」<br />
上田はそこで私を見た。<br />
「そのままの意味です。その子はどこにいるのか分からないらしくて&hellip;彼女は探す、と。」<br />
私はやはりぽかんと口を開けて固まっていた。<br />
「その子とは&hellip;あ、娘らしいんですが、幼いころに別離したみたいで。今の居場所はさっぱり分からない。」<br />
「畑本は引き取ってなかったんですよね&hellip;？私が調査した時は&hellip;そんな子供だなんてまったく出てきませんでしたけど。」</p>
<p>上田はため息をつきながら頷いた。<br />
「えぇ、畑本も引き受けず、彼女も引き受けず&hellip;。真相は知らないのですが、きっと施設か何かに入れられていたのではと思います。&hellip;&hellip;ただ、私にはそのことがどうにも受け入れられなかった。まず子供がいたことに驚き、その子供を夫婦そろって育てることを放棄している。そうかと思えば、突然探し出すと言い出した。私にはあまりにも唐突すぎて理解できなかったんです。」</p>
<p>「でも、どうして突然探し出すって言い出したんですか。」</p>
<p>「そこが分からなかった。だから、さすがに私も問い詰めたんです。私にわかるように説明してくれ、と。そしたら、」</p>
<p>上田は突然怯えた目を私に向けてきた。</p>
<p>「そしたら、彼女が『あの子が夢に出てきた。毎日夢に出てきては私を追ってくる。そして私は川のほとりに追い詰められて、最後には首をつかまれそのまま水に沈められる。』&hellip;と。つまり、自分の娘に殺される夢を見ると言うんです。」</p>
<p>私は思わぬ展開に混乱していた。そして、喉がカラカラに渇いていることに気付いた。<br />
私は再びお茶をついで、一口飲んだ。<br />
「なぜ、&hellip;殺される？」<br />
上田は相変わらず怯えた表情のまま話を続ける。<br />
「そうです。ある日から突然その夢を見始めたというんですが、いつも夢の最後では娘に殺される。そうするうちに、彼女はその子に会って謝らなければいけない、と思い始めたんだそうです。『きっとあの子は私を憎んでいる。復讐に来たんだ』と。」</p>
<p>復讐&hellip;</p>
<p>「それで、探し始めたわけですか。」<br />
上田は顔を曇らせた。<br />
「探し始める予定でした。でも、その前に彼女は崩れてしまった。」</p>
<p>崩れた&hellip;？</p>
<p>「彼女は本当に、夢の中で娘に殺されてしまっていたんです。」</p>
<p>なんだ、この重い空気は。</p>
<p>「彼女は精神が病んでしまった。夢の恐怖で、眠ることができなくなりました。そして、その恐怖は起きているときにも彼女を襲うようになり、ついには、全ての物に怯えるようになってしまいました。」</p>
<p>蝉が鳴きやんだ。</p>
<p>「彼女は今も入院しています。たぶん、もう二度と出ることはないんだと思います。」</p>
<p>沈黙が重たかった。私は精一杯声を絞り出した。<br />
「だからって&hellip;離婚をする必要はあったんですか。あなたは彼女の面倒を最後まで見ようとは思わなかったんですか？」<br />
上田は穏やかな表情に戻り、静かに私を見た。<br />
「秋成さん、あなたは知らないんです。それは綺麗事というものですよ。彼女はわたしのことさえ分からない。みんな、彼女の命を狙っている娘に見えるのです。彼女は見た目はそのままであっても、彼女ではないんです。」</p>
<p>上田はそれ以上彼女のことは語らなかった。私も聞こうとは思わなかった。<br />
最後に、上田は少しだけ笑いながら<br />
「これで、私は殺されずにすみますかね。」<br />
と言ったので、私はどうにも申し訳ない気分になってしまった。<br />
十分すぎる理由だ、と思った。</p>
<a target="_self" href="http://laughinxlightnin.blog.shinobi.jp/Entry/2/">目次へ</a>]]>
    </description>
    <category>Fa</category>
    <link>http://laughinxlightnin.blog.shinobi.jp/fa/15%E5%B9%B4%E5%89%8D%E3%83%BB3</link>
    <pubDate>Wed, 09 Mar 2011 14:14:08 GMT</pubDate>
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  </item>
    <item>
    <title>15年前・2</title>
    <description>
    <![CDATA[　上田は困惑した顔で先ほどと同じところに座っている。<br />
私は冷蔵庫からお茶のペットボトルを持ってきて、空になった自分のコップに乱暴に注いだ。<br />
「上田さん、なんで離婚したんですか。」<br />
いらだった時はいつも声がかすれてしまう。私は咳ばらいをした。<br />
上田は私の声にも咳払いにも怯えた表情をした。<br />
<br />
「どうして&hellip;そんなこと聞くんですか。」<br />
上田からもかすれた声が出た。<br />
<br />
「どうしてって&hellip;あなたが離婚してしまったら私が畑本健輔を殺した意味が無くなるじゃないですか。畑本健輔の死が無駄にならないほどの理由があっての離婚ですか。私はそれが聞きたい。」<br />
私は息継ぎもせずにそこまで言って、お茶をぐいと飲み干した。<br />
<br />
上田は一瞬の間をおいて、眉間にしわを寄せながら言い返してきた。<br />
「それは、あまりにも個人的な質問ではないですか。あなたに言う必要は&hellip;あるんでしょうか。」<br />
私は苛立った表情の上田から目をそらして、また窓の外を見た。<br />
相変わらず騒音を轟かせて工事が続いている。<br />
<br />
「私は初めに言ったはずですよ。私は、本当に納得のいく理由があるときだけ仕事を引き受けるって。あの時、あなたは確かに私を納得させたんですよ。でも、それって&hellip;あなたが離婚してしまったら成立しなくなる理由じゃなかったんですか？」<br />
<br />
上田を見ると、眉間のしわは消えていたが、腑に落ちない顔をしていた。<br />
「5年経てば状況だって変わるでしょう。」<br />
「まだ5年ですよ。」<br />
<br />
「秋成さん、」<br />
そこで上田はまっすぐ私の顔を見た。<br />
<br />
「あなたこそ、そんなこと今さら言ったって&hellip;畑本健輔は5年前に既に死んでるじゃないですか。まぎれもなくあなたが殺したんじゃないですか。」<br />
<br />
「それを言ったらおしまいですよ、上田さん。」<br />
私も負けじと上田の顔をじっと見た。若返ったのは服装だけか。<br />
<br />
「とにかく、私を納得させるまではかえしませんよ。」<br />
<br />
「このままでは、何を言っても納得してもらえないと思うのですが？」<br />
私はにやりと笑った。確かに、と思いながらペットボトルに手を伸ばす。<br />
一方の上田は相変わらず固い表情だった。<br />
<br />
「&hellip;どうしたんですか。言わないんですか、上田さん。」<br />
<br />
「個人的な話には興味がないって、5年前に言ってませんでしたっけ。」<br />
私はそんなことを言った記憶もなかった。<br />
<br />
「さっきから言ってますけど、私は上田さんのプライバシーが知りたいんじゃないんですってば。」<br />
<br />
上田はまだ嫌そうな顔をしている。私は単純に「価値観の相違」などという理由が返ってくるかと予想していたのだが、上田が思った以上に渋るので、何か複雑な理由でもあったのだろうかという気がしていた。<br />
「『価値観の相違』&hellip;って言ったらどうしますか。」<br />
私は心を読まれたようでドキリとした。上田は探るように、試すようにこちらを見てくる。<br />
<br />
私は目を細めて上田を見て言った。<br />
「&hellip;納得はしませんよね。ついでに言うと、私は殺し屋なんですよね。上田さん、知ってました？」<br />
上田は少しだけ顔を強張らせた。この空気では冗談に聞こえないこともないのか。<br />
<br />
「そうしたら、秋成さんは私を殺すんですか？」<br />
私はそんなことないだろう、と内心で笑いながらも、無表情を保ってお茶を飲み干した。そして、無言のまま上田を見つめた。<br />
上田の表情は面白いほどみるみるうちに青ざめていった。<br />
<br />
「&hellip;やっと状況が分かりましたか。」<br />
面白くなってこんなことを呟いてみせると、上田は額に汗を浮かべて<br />
<br />
「&hellip;で、でもあなたには私を殺す理由がないでしょう。」<br />
とかすれた声で言った。<br />
<br />
「理由？『私を納得させなかった』でいいじゃないですか。」<br />
「そんな&hellip;支離滅裂じゃないですか。」<br />
確かに乱暴すぎる。私はまたもや心の中で笑った。<br />
<br />
「あなたは私のそんな美徳をけなしたじゃないですか。」<br />
「そんなつもりはっ&hellip;」<br />
私はこのくらいでいいだろう、と思い、<br />
<br />
「では、そろそろお話を伺っても？」<br />
と言ってにこりと笑った。<br />
<br />
<br />
<a target="_self" href="http://laughinxlightnin.blog.shinobi.jp/Entry/2/">目次へ<br />
</a><br />]]>
    </description>
    <category>Fa</category>
    <link>http://laughinxlightnin.blog.shinobi.jp/fa/15%E5%B9%B4%E5%89%8D%E3%83%BB2</link>
    <pubDate>Wed, 09 Mar 2011 13:11:27 GMT</pubDate>
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  </item>
    <item>
    <title>りんご・2</title>
    <description>
    <![CDATA[　父の顔も、母の顔も覚えていない。それほど幼いころから、私は祖父母によって育てられてきた。らしい。というのも、私の中の幼いころの記憶はまったくないからだ。だから、父と母が交通事故で死んだという話も本当かどうかわからない。私はただ、言われてきたことを信じることしかできない。<br />
<br />
　私は奨学金をもらって大学、大学院へと進学し、今では地元の自然史博物館に学芸員として勤務している。祖父母だって若くない。就職と同時に、私は一人暮らしをやめて再び2人と暮らすようになった。<br />
<br />
　私の家系は芸術に秀でていた。祖父は絵を描く。その影響もあって、私も幼いころから祖父の手ほどきを受けてきた。しかし、それは私にとってあくまでも趣味の一つだった。私がどんなに望んでも、祖父母は芸大に進むことを許してはくれなかった。２人はかたくなに反対したのだった。その時から、私は絵を描くことが徐々に少なくなっていった。<br />
<br />
　そんな中、私は今、久しぶりに絵を描いている。<br />
<br />
私は毎日、暇を見つけては少しずつ絵を描いていた。おぼろげで繊細なそれを丁寧に、ゆっくりとカンバスに写し取っていった。<br />
壊れないように。<br />
大切に。<br />
大切に。<br />
<br />
<br />
<br />
<a target="_self" href="http://laughinxlightnin.blog.shinobi.jp/Entry/2/">目次へ</a>]]>
    </description>
    <category>Fa</category>
    <link>http://laughinxlightnin.blog.shinobi.jp/fa/%E3%82%8A%E3%82%93%E3%81%94%E3%83%BB2</link>
    <pubDate>Wed, 09 Mar 2011 04:51:51 GMT</pubDate>
    <guid isPermaLink="false">laughinxlightnin.blog.shinobi.jp://entry/32</guid>
  </item>

    </channel>
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