創作小説と、「オペラ座の怪人」二次創作小説を載せているブログです
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おはよう。
今日も僕は君を見てるだけ。
僕は、君の事が好き。
でも、君は僕の事(僕みたいな種類)を嫌っていること、
苦手としている事を知ってるよ。
だから、こうして僕を見ているだけ。
ある日は電気スタンドの上から、
ある日はペン立てのペンの隙間から、
ある日は君の肩の上から。(これは君が気づかなかったときだけだけど。)
時々、思い切って君に近づいてみるけど、
そのたびに君は僕に向かってしかめっ面をして追い払う。
君は知らないと思うけど、あれ、結構僕は傷ついてるんだよ。
それでも一度、懲りずに何度も君の所に行ったら、
君は観念して追い払わなくなったけど、
でも決して僕の方は見てくれなかったね。
君には僕の顔さえ見えないんだけれど。
それに比べて僕は君のことをよく知ってるよ。
名前も、好きな色も、好きな本も。
君のよくする仕草、君の口ずさむ歌。
でも、
残念ながら僕は君の名前を呼べないし、
君の好きな色については呼び名さえ知らない。
(もしかすると、僕の見えてる色とはちょっと違うかもしれない。)
こんなに君の事知ってるのに、僕にできる事は君を見ていることだけなんだ。
僕の命はもうすぐ終わる。
僕の役目は子孫を残して死ぬ事。それだけ。
本当は君にかまってる暇はないんだってさ。誰かが言ってた。
でも、僕はそんな本能さえどうでも良いって思ってる。
君の隣に居れるなら。
知ってる。
ここで僕が死んだら君がとっても嫌がること。
でも、ちょっとは大目に見てほしいな。
君の目には、消しゴムのカスと同じようにしか見えないじゃないか。
きっと、君の眼に留まる前に扇風機の風でどこかへ飛ばされてるよ。
こういうときだけ、人間じゃなくてよかったって思えるよ。
なんて寂しいんだろうね。
僕は人間になりたかった。
そしたらずっと君の隣にいれたかな。
そしたら君は僕の事をこんなに嫌いにならなかった?
もう、学校に行くの?
いってらっしゃい。
僕はここで待ってるね。
きっと。
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