創作小説と、「オペラ座の怪人」二次創作小説を載せているブログです
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師匠はまだ空中を見つめている。口だけが動いていて、まるで操り人形のようだ。
「喉が渇いたら、水が欲しい。」
僕は ええ と言った。突然何の話なのだろう。
「うん、確かにあの男は喉が渇いていたんだよ。だって私がそう仕向けたからね。」
師匠は今度は僕を見て、笑いかけた。
「あいつ…かなり喉が渇いていたんだろうね。液体ならなんでも飲めるって思っちゃたのかな。」
「そしたら、落ちちゃったんだよ。私…何もしてないのにね。あ、何もしてないって言うと嘘になるかもしれない。」
僕は師匠のいつもの過去の話だと気付いた。
「ビンの中にさ…、一瞬で、頭から。」
少し間を置いて、
「きっと今頃は…、サメと仲良くしているんじゃないかな。」
そしてゆっくりと僕の方に顔を向けた。僕はとりあえず、言ってみる。
「さっきからなんの事ですか?」
「ビンの中に死んだサメがいるっていうのは、なかなか恐ろしいものだと思わない?」
まるで、話を聞いていない。
「サメと並んでビンの中にいるあいつ…、生まれたときからずっとそこにいるみたいに、しっくりきたわけ。」
僕は また来ます と言って、その日は帰った。
師匠は嬉しそうに、警察署の中で暮らしていることがわかった。
もっくーじ
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