忍者ブログ
創作小説と、「オペラ座の怪人」二次創作小説を載せているブログです ※「Menu」または小説本編をご覧になるには、下へスクロール
| Home | About | 未選択 | Fa | 小品 | 学校の怪人 | 独り遊びは止めてくれ | Other |
[14]  [13]  [12]  [11]  [10]  [9]  [8]  [7]  [6]  [5]  [4
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


 電話が鳴った。
知らない男からの電話だった。
「…上田、さんですか?」
私はそうだ、と言った。
すると男は電話の向こうで、
「良かった本当だ。」
と呟いた。
そして荒い呼吸で、良かった、ありがとうございますと、何度も何度も私に言った。
私は不思議な感覚に陥っていた。
名乗りもしない知らない男になんども礼を述べられるのは初めてであったから。
一瞬の沈黙の後、私はやっと男に名を尋ねた。
「申し遅れました、私、渡辺です。」

 渡辺はとても腰の低い男であるようだった。
あまりに丁寧に、遠まわしにものを言うものだから、私は危うく本題を聞き逃す所だった。
「…秋成が死にました。」
3度目、やっと渡辺ははっきりと事態を伝えた。
私はそれでも理解に一瞬の間を要した。

秋成とは一体誰だっただろうか…?

それでも渡辺は私に
「秋成のメモにはあなたに来てもらうように書いてあるのです。」
と言い張った。
私は今なら詐欺に引っかかっても良い気がして、
「秋成」の葬儀に行く事となった。

 目次へ

PR
この記事にコメントする
name
title
color
mail
URL
comment
password   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
フリーエリア
最新CM
最新TB
プロフィール
HN:
小夜
性別:
女性
バーコード
ブログ内検索
P R
Powered by Ninja Blog Template by CHELLCY / 忍者ブログ / [PR]