忍者ブログ
創作小説と、「オペラ座の怪人」二次創作小説を載せているブログです ※「Menu」または小説本編をご覧になるには、下へスクロール
| Home | About | 未選択 | Fa | 小品 | 学校の怪人 | 独り遊びは止めてくれ | Other |
[29]  [28]  [27]  [26]  [25]  [24]  [23]  [22]  [16]  [15]  [14
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


おはよう。

今日も僕は君を見てるだけ。

僕は、君の事が好き。
でも、君は僕の事(僕みたいな種類)を嫌っていること、
苦手としている事を知ってるよ。
だから、こうして僕を見ているだけ。

ある日は電気スタンドの上から、
ある日はペン立てのペンの隙間から、
ある日は君の肩の上から。(これは君が気づかなかったときだけだけど。)

時々、思い切って君に近づいてみるけど、
そのたびに君は僕に向かってしかめっ面をして追い払う。
君は知らないと思うけど、あれ、結構僕は傷ついてるんだよ。
それでも一度、懲りずに何度も君の所に行ったら、
君は観念して追い払わなくなったけど、
でも決して僕の方は見てくれなかったね。

君には僕の顔さえ見えないんだけれど。

それに比べて僕は君のことをよく知ってるよ。
名前も、好きな色も、好きな本も。
君のよくする仕草、君の口ずさむ歌。
でも、
残念ながら僕は君の名前を呼べないし、
君の好きな色については呼び名さえ知らない。
(もしかすると、僕の見えてる色とはちょっと違うかもしれない。)

こんなに君の事知ってるのに、僕にできる事は君を見ていることだけなんだ。

僕の命はもうすぐ終わる。
僕の役目は子孫を残して死ぬ事。それだけ。
本当は君にかまってる暇はないんだってさ。誰かが言ってた。
でも、僕はそんな本能さえどうでも良いって思ってる。
君の隣に居れるなら。

知ってる。
ここで僕が死んだら君がとっても嫌がること。
でも、ちょっとは大目に見てほしいな。
君の目には、消しゴムのカスと同じようにしか見えないじゃないか。
きっと、君の眼に留まる前に扇風機の風でどこかへ飛ばされてるよ。
こういうときだけ、人間じゃなくてよかったって思えるよ。
なんて寂しいんだろうね。

僕は人間になりたかった。
そしたらずっと君の隣にいれたかな。
そしたら君は僕の事をこんなに嫌いにならなかった?


もう、学校に行くの?
いってらっしゃい。
僕はここで待ってるね。
きっと。
PR
この記事にコメントする
name
title
color
mail
URL
comment
password   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
フリーエリア
最新CM
最新TB
プロフィール
HN:
小夜
性別:
女性
バーコード
ブログ内検索
P R
Powered by Ninja Blog Template by CHELLCY / 忍者ブログ / [PR]